第62回日本老年医学会学術集会

プログラム

日程表(1日目)
8月4日(火)
日程表(2日目)
8月5日(水)
日程表(3日目)
8月6日(木)
プログラム
一般演題

座長不在のセッションがございます。詳細は上記の日程表(PDF)よりご確認ください。

招請講演 開催中止となりました。

「The role of geriatric medicine in the healthy ageing of society」

座長:
羽生 春夫(東京医科大学 高齢総合医学分野)
演者:
Kenneth Rockwood(Dalhousie University, Canada)

特別講演1

8月4日(火曜日)11:00~11:50 第1会場
「新型コロナウイルス感染症で学ぶべきこと―来たるべき第2波に備えて―」

座長:
羽生 春夫(東京医科大学 高齢総合医学分野)
演者:
松本 哲哉(国際医療福祉大学医学部感染症学講座)

特別講演2

8月5日(水曜日)11:10~12:00 第1会場
「認知症施策推進大綱を老年医学の実践に生かす」

座長:
大内 尉義(国家公務員共済組合連合会虎の門病院)
演者:
鳥羽 研二(東京都健康長寿医療センター)

特別講演3

8月6日(木曜日)11:10~12:00 第1会場
「超高齢社会における「健康寿命の延伸」の意味を考える」

座長:
大島 伸一(国立長寿医療研究センター)
演者:
鈴木 隆雄(桜美林大学 老年学総合研究所)

会長講演

8月4日(火曜日)13:40~14:10 第1会場
「私の老年医学」

座長:
岩本 俊彦(国際医療福祉大学)
演者:
羽生 春夫(東京医科大学高齢総合医学分野)

ダイバーシティ特別企画講演(ダイバーシティ推進委員会企画)

8月6日(木曜日)14:50~16:20 第3会場
「意思決定に問題のある高齢・認知症患者の法的紛争 ―医療チームの重要性―」

座長:
海老原 孝枝(杏林大学医学部高齢医学)
演者:
鵜飼 万貴子(京都府立医科大学医学部生命倫理学/白水法律事務所)
パネリスト:
平井 弥夫(川口さくら病院)
名古屋 恵美子(杏林大学医学部付属病院 医療福祉相談室)

尼子賞受賞者講演
老化・老年病と生活習慣について

8月4日(火曜日)13:10~13:40 第1会場

座長:
鳥羽 研二(東京都健康長寿医療センター)
演者:
井藤 英喜(地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター)

第3回 日本老年医学会老化および老年医学研究助成受賞者講演

8月6日(木曜日)15:20~16:20 第4会場

座長:
阿古 潤哉(北里大学医学部 循環器内科学教室)
岩切 理歌(東京都健康長寿医療センター 高齢診療科)
演者:
田村 嘉章(東京都健康長寿医療センター 糖尿病・代謝・内分泌内科)

「高齢者サルコペニアの成因における脳白質統合異常と新規バイオマーカーMuSK、GDF15の関与 ―筋肉・脳連関の解明―」
山本 浩一(大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学)
「トリプトファン代謝による老化制御機構を解明するトランスレーショナルリサーチ」
渡邉 健太郎(日本大学医学部内科学系 糖尿病・代謝内科学分野)
「血管石灰化と動脈硬化、心血管病発症リスクとの関連」

第2回 日本老年医学会 YIA受賞者講演

8月4日(火曜日)16:30~17:10 第5会場

座長:
武地 一(藤田医科大学医学部 認知症・高齢診療科)
新村 健(兵庫医科大学 内科学 総合診療科)

優秀演題賞候補セッション

8月4日(火曜日)14:20~16:20 第5会場

座長:
羽生 春夫(東京医科大学 高齢総合医学分野)
櫻井 孝(国立長寿医療研究センター もの忘れセンター)

教育講演1

8月4日(火曜日)9:00~9:30 第5会場
「高齢者の嚥下障害のマネージメント」

座長:
森本 茂人(金沢医科大学 認知症センター)
演者:
藤谷 順子(国立国際医療研究センター病院 リハビリテーション科)

教育講演2

8月4日(火曜日)9:30~10:00 第5会場
「骨折・骨粗鬆症・フレイル」

座長:
杉本  研(大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学)
演者:
浦野 友彦(国際医療福祉大学医学部老年病学)

教育講演3

8月4日(火曜日)10:00~10:30 第5会場
「大規模災害における高齢者医療」

座長:
鈴木 裕介(名古屋大学医学部附属病院 地域連携・患者相談センター)
演者:
冲永 壯治(東北福祉大学健康科学部 医療経営管理学科)

教育講演4

8月4日(火曜日)10:30~11:00 第5会場
「軽度腎機能低下への対応」

座長:
三木 哲郎(阪和第一泉北病院)
演者:
菅野 義彦(東京医科大学 腎臓内科学分野)

教育講演5

8月5日(水曜日)9:00~9:30 第5会場
「無症候性心房細動をどう扱うか?」

座長:
北岡 裕章(高知大学医学部 老年病・循環器内科学)
演者:
里見 和浩(東京医科大学病院 不整脈センター)

教育講演6

8月5日(水曜日)9:30~10:00 第5会場
「高齢者に多い皮膚疾患」

座長:
竹本 稔(国際医療福祉大学医学部 糖尿病・代謝・内分泌内科学)
演者:
梅林 芳弘(東京医科大学八王子医療センター 皮膚科)

教育講演7

8月5日(水曜日)10:00~10:30 第5会場
「認知症の鑑別疾患」

座長:
東海林 幹夫(老年病研究所附属病院)
演者:
清水 聰一郎(東京医科大学 高齢総合医学分野)

教育講演8

8月5日(水曜日)10:30~11:00 第5会場
「認知症のBPSDに対する対応」

座長:
金髙 秀和(東京医科大学 高齢総合医学分野)
演者:
水上 勝義(筑波大学大学院 人間総合科学研究科)

教育講演9

8月5日(水曜日)13:15~13:45 第5会場
「高齢者の消化管内視鏡病変」

座長:
大黒 正志(金沢医科大学 高齢医学)
演者:
河合 隆(東京医科大学 消化器内視鏡学分野)

教育講演10

8月5日(水曜日)13:45~14:15 第5会場
「高齢初発てんかん」

座長:
玉岡 晃(筑波大学医学医療系 神経内科学)
演者:
渡辺 雅子(新宿神経クリニック)

教育講演11

8月5日(水曜日)14:15~14:45 第5会場
「高齢者の栄養管理」

座長:
海老原 孝枝(杏林大学 医学部 高齢医学)
演者:
梅垣 宏行(名古屋大学大学院 医学系研究科 地域在宅医療学 老年科学)

教育講演12

8月5日(水曜日)14:45~15:15 第5会場
「高齢者のポリファーマシー」

座長:
下門 顕太郎(ミッドタウンクリニック有明)
演者:
小島 太郎(東京大学大学院医学研究科老年病学)

教育講演13

8月6日(木曜日)9:00~9:30 第5会場
「高齢者うつの診断と治療」

座長:
鷲見 幸彦(国立長寿医療研究センター)
演者:
井上 猛(東京医科大学 精神医学分野)

教育講演14

8月6日(木曜日)9:30~10:00 第5会場
「高齢者のリハビリテーション:Hospital-Associated Disability (HAD)と認知機能の視点から」

座長:
飯島 節(介護老人保健施設 ミレニアム桜台)
演者:
金丸 晶子(東京都健康長寿医療センター リハビリテーション科)

教育講演15

8月6日(木曜日)10:00~10:30 第5会場
「症例から考える高齢者の排尿ケア」

座長:
江藤 文夫(柳原リハビリテーション病院)
演者:
堀江 重郎(順天堂大学大学院 泌尿器外科学講座)

教育講演16

8月6日(木曜日)10:30~11:00 第5会場
「高齢者に多い脊椎疾患と慢性疼痛対策における展望」

座長:
平尾 健太郎(東京医科大学 高齢総合医学分野)
演者:
酒井 義人(国立長寿医療研究センター 整形外科)

教育講演17

8月6日(木曜日)14:20~14:50 第5会場
「高齢者大腸がん患者に対する腹腔鏡・ロボット手術」

座長:
木村 理(東都春日部病院)
演者:
石原 聡一郎(東京大学 腫瘍外科)

教育講演18

8月6日(木曜日)14:50~15:20 第5会場
「高齢者の口を支える新たな概念:オーラルフレイル」

座長:
金谷 潔史(東京医科大学八王子医療センター 高齢診療科)
演者:
平野 浩彦(東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科/口腔保健と栄養研究チーム)

教育講演19

8月6日(木曜日)15:20~15:50 第5会場
「高齢者の在宅医療」

座長:
松林 公蔵(京都大学東南アジア地域研究研究所)
演者:
平原 佐斗司(東京ふれあい医療生活協同組合 梶原診療所)

教育講演20

8月6日(木曜日)15:50~16:20 第5会場
「高齢者の睡眠障害の病態・診断と治療」

座長:
山口 修平(島根県立中央病院)
演者:
井上 雄一(東京医科大学睡眠学講座/睡眠総合ケアクリニック代々木)

ガイドライン特別企画1

8月4日(火曜日)10:00~11:00 第2会場
「高齢者のポリファーマシー対策のガイドライン」

座長:
大庭 建三(川口さくらクリニック)
演者:
秋下 雅弘(東京大学大学院医学系研究科老年病学)

ガイドライン特別企画2

8月5日(水曜日)9:00~10:00 第2会場
「高齢者糖尿病診療ガイドラインの課題と展望」

座長:
矢部 大介(岐阜大学大学院医学系研究科 内分泌代謝病態学)
演者:
荒木 厚(東京都健康長寿医療センター糖尿病・代謝・内分泌内科)

ガイドライン特別企画3

8月5日(水曜日)10:00~11:00 第2会場
「高齢者のがん薬物療法ガイドライン」

座長:
小川 純人(東京大学大学院医学系研究科老年病学)
演者:
長島 文夫(杏林大学医学部 腫瘍内科学)

ガイドライン特別企画4

8月6日(木曜日)9:00~10:00 第2会場
「高齢者高血圧診療ガイドラインを臨床に活かす」

座長:
島本 和明(日本医療大学)
演者:
樂木 宏実(大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学)

ガイドライン特別企画5

8月6日(木曜日)10:00~11:00 第2会場
「認知症疾患診療ガイドライン2017をめぐって」

座長:
下濱 俊(札幌医科大学医学部 神経内科学講座)
演者:
冨本 秀和(三重大学大学院医学系研究科 神経病態内科学)

ガイドライン特別企画6

8月6日(木曜日)14:20~15:20 第2会場
「サルコペニア診断の新基準:AWGS 2019」

座長:
秋下 雅弘(東京大学大学院医学系研究科老年病学)
演者:
佐竹 昭介(国立長寿医療研究センター 老年内科/フレイル研究部 フレイル予防医学研究室/栄養管理部)

ガイドライン特別企画7

8月6日(木曜日)15:20~16:20 第2会場
「脂質異常症ガイドライン」

座長:
横出 正之(京都大学医学部附属病院 臨床研究総合センター)
演者:
竹本 稔(国際医療福祉大学医学部 糖尿病・代謝・内分泌内科)

Japan-Korea-Taiwan Joint Symposium

8月5日(水曜日)13:15~15:15 第6会場
「Multimorbidities and polypharmacy: Role of geriatrician」

座長:
Hidenori Arai(National Center for Geriatrics and Gerontology)
Hak Chul Jang(Seoul National University Bundang Hospital)
Long-Teng Lee(Taiwan Association of Gerontology and Geriatrics)
▼ Message from the moderators
Generally speaking, the number of diseases and medications increases according to aging. Older people tend to have multiple diseases, including geriatric syndrome, which cause polypharmacy. Physicians need to comply with the clinical guidelines of each disease;however, there is not enough evidence to treat patients with multimorbidities and to deal with polypharmacy when we treat such patients. Geriatricians are well trained for such patients, but we still have a lot of challenges in our daily practice. In this symposium we discuss the current situation about the practice for multimorbidities and polypharmacy in Japan, Korea and Taiwan and try to reach some consensus how to tackle these complicated issues.
演者:
Department of Geriatric and General Medicine, Osaka University Graduate School of Medicine
Community Healthcare and Geriatrics,Nagoya University Graduate School of Medicine
Kwang-Il Kim(Division of Geriatrics, Department of Internal Medicine, Seoul National University Bundang Hospital, Seongnam, Seoul National University College of Medicine, Seoul, Korea)
Eun-Ju Lee(Department of Geriatrics, Asan Medical Center)
Shinn-Jang Hwang(Taipei Veterans General Hospital and National Yang-Ming University School of Medicine)
Meng-Chih Lee(International Scientific Committee, Taiwan Association of Geriatrics and Gerontology(TAGG)/Institute of Medicine, Chung Shan MedicalUniversity/TLSA Study Group of the Integrated Health and Social Care Project, Ministry of Health and Welfare, Taiwan/Division of Geriatric Medicine, National Health Research Institute/Universities of Minnesota and Michigan)

緊急シンポジウム

8月4日(火曜日)14:20~16:20  第1会場
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)下における高齢者医療への対応」

座長:
樂木 宏実(大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学)
神﨑 恒一(杏林大学医学部 高齢医学)
▼ 企画趣旨
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延により社会環境には大きな変化がもたらされ、高齢者医療にも種々の新たな問題が生じております。
本シンポジウムでは、コロナ禍における高齢者医療の現状と対応について様々な立場から議論していただき、会員にむけて今後の医療に役立つ情報を提供していただきたく、企画されました。
演者:
新美 芳樹(藤田医科大学 脳神経内科学)
飯島 勝矢(東京大学 高齢社会総合研究機構・未来ビジョン研究センター)
高橋 晶(筑波大学 医学医療系災害・地域精神医学/茨城県立こころの医療センター)
織田 順(東京医科大学病院 救命救急センター)
大河内 二郎(介護老人保健施設 竜間之郷/全国老人保健施設協会/東京大学医学部大学院在宅医療学講座)

シンポジウム1

8月4日(火曜日)9:00~11:00 第1会場
「フレイル、サルコペニア研究の最前線」

座長:
荒井 秀典(国立長寿医療研究センター)
藤原 佳典(東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム)
▼ 企画趣旨
超高齢社会の医療を考える上においては、サルコペニア、フレイルの問題を避けて通るのは難しい。サルコペニアについては、病態の解明とともに有効な介入方法の確立及び治療薬の開発が進められている。同時に診断基準についても見直しがなされており、2018年にはヨーロッパのグループが、2019年にはアジアのワーキンググループが診断基準の改訂を発表した。また、さまざまな疾患領域におけるサルコペニアの重要性も年々脚光を浴びており、その介入手段についてのエビデンス構築をさらに進める必要性が高まっている。一方、フレイルについても基礎的な研究とともに疫学研究・臨床研究が進められており、認知症などの疾患との相互的な関連性についての研究も多くなっている。2020年4月からは後期高齢者の健診にフレイルの考え方が導入され、フレイルに対する地域での介入の重要性がさらに増すことが予想される。本シンポジウムではこのような背景を受けて、サルコペニア、フレイルに関する最新知見を発表していただくことにしたい。
演者:
荒井 秀典(国立長寿医療研究センター)
金 憲経(東京都健康長寿医療センター研究所)
神﨑 恒一(杏林大学医学部高齢医学)
藤原 佳典(東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム)
葛谷 雅文(名古屋大学大学院 医学系研究科 地域在宅医療学・老年科学/名古屋大学未来社会創造機構)

シンポジウム2

8月4日(火曜日)9:00~11:00 第3会場
「高齢者脳卒中の予防と治療」

座長:
北川 一夫(東京女子医科大学 脳神経内科)
平野 照之(杏林大学医学部 脳卒中医学)
▼ 企画趣旨
高齢者では脳卒中は死亡原因としてだけではなく、要介護原因の主要疾患として社会的問題となっており、その予防、治療手段、再発予防、合併症対策は喫緊の課題となっている。本講演では、高齢者脳卒中の臨床的特徴、原因として重要な心房細動、特に潜在性心房細動の検出、進歩の著しい急性期治療、意欲低下、認知症など合併症に関わる問題、高齢者脳卒中で心原性と並んで重要な脳小血管病に関する話題を、それぞれエキスパートの講師から講演していただく予定である。脳梗塞患者の発症平均年齢が75歳とも言われ、臨床現場では90歳以上の脳梗塞患者に遭遇する機会もしばしばあり、脳梗塞患者への対応は脳神経疾患としてだけではなく、老年者特有の心身の変化、全身血管病の合併、社会的背景を併せて捉える全人的な対応が求められる。
演者:
北園 孝成(九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学)
秋山 久尚(聖マリアンナ医科大学 脳神経内科)
平野 照之(杏林大学医学部 脳卒中医学)
山口 修平(島根県立中央病院)
冨本 秀和(三重大学大学院医学系研究科 神経病態内科学)

シンポジウム3

8月4日(火曜日)9:00~11:00 第4会場
「老化研究の進歩:AMED老化研究拠点からの発信」

座長:
樂木 宏実(大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学)
横手 幸太郎(千葉大学大学院医学研究院 内分泌代謝・血液・老年内科学)
▼ 企画趣旨
AMEDが平成29年度に立ち上げた「老化メカニズムの解明・制御プロジェクト」は、2つの研究開発拠点と1つの研究推進・支援拠点が採択された。東北大学の片桐秀樹先生を代表とする個体・臓器老化研究拠点、大阪大学の原英二先生を代表とする老化機構・制御研究拠点、神戸医療産業都市推進機構の鍋島陽一先生を代表とする老化研究推進・支援拠点である。このプロジェクトは、老化メカニズムのさらなる解明と応用研究の推進により、健康寿命の延伸につながる老化制御法の開発などの成果創出が期待されたものである。昨年6月には中間評価が行われいずれの研究拠点も高い評価を得ており、日本老年医学会の会員においても、最先端のこれらの基礎研究成果を知ることは、それぞれの立場における老年医学研究の発展に資するものと考える。極めて多彩な研究がそれぞれに連携しながらそれぞれの拠点においてプロジェクトが展開されているが、本シンポジウムでは、プロジェクト全体を見渡す形で5名の研究者の方々に研究成果をご講演頂くこととした。
演者:
井垣 達吏(京都大学大学院 生命科学研究科)
三浦 恭子(熊本大学大学院 生命科学研究部 老化・健康長寿学講座)
清水 逸平(新潟大学大学院 医歯学総合研究科 循環器内科学 先進老化制御学講座)
柳田 素子(京都大学 医学研究科 腎臓内科学)
前澤 善朗(千葉大学大学院 医学研究院 内分泌代謝・血液・老年内科学)

シンポジウム4

8月4日(火曜日)14:20~16:20 第2会場
「認知症と共生する社会へ向けて」

座長:
武地 一(藤田医科大学医学部 認知症・高齢診療科)
櫻井 博文(東京医科大学高齢総合医学分野/東京医科大学病院 総合相談・支援センター)
▼ 企画趣旨
社会の高齢化に伴って認知症の人の数は増加の一途を辿っている。かつては認知症を発症すると、本人にとってもその家族にとっても、自分らしく地域で過ごすことには大きな困難が待ち受けていた。日本社会においては2000年以降、介護保険制度、地域包括ケアなどが実施されてきたが、更に、オレンジプラン、新オレンジプラン、認知症施策推進大綱が立案・推進され、地域の人々の啓発、医療・介護専門職による取り組み、本人・家族の視点に立った認知症施策などが総合的に進められている。これらの取り組みはまだまだ道半ばとも言えるが、本シンポジウムでは、それらの取り組みの様々なフィールドにおいてトップランナーとして活動されている先生方にお話しいただき、認知症と共生する社会への課題を見つめるとともに、その実現が近づいていることを共有したい。
演者:
大野 教子(公益社団法人 認知症の人と家族の会 東京都支部)
櫻井 博文(東京医科大学 高齢総合医学分野/東京医科大学病院 総合相談・支援センター)
黒田 篤(社会医療法人卓翔会 市比野記念病院)
小幡 志津(トヨタ記念病院)
内門 大丈(湘南いなほクリニック)

シンポジウム5

8月4日(火曜日)14:20~16:20 第3会場
「高齢者の嚥下機能低下と栄養不良の相互関係」

座長:
海老原 覚(東邦大学大学院医学研究科 リハビリテーション医学講座)
葛谷 雅文(名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻発育・加齢医学講座(地域在宅医療学・老年科学))
▼ 企画趣旨
加齢とともに嚥下機能が低下し、さらに食欲低下を起こすさまざまな原因により摂食障害また摂食量が低下し、高齢者は栄養不良に陥りやすい。逆に高齢者における栄養不良は、全身及び嚥下筋のサルコペニアを含む様々な廃用性要因により、嚥下機能低下を引き起こす。高齢者における嚥下機能低下と栄養不良は非常に密接な関係があるが、必ずしもそれらの詳細な機構や適切な介入法が明らかになっているわけではない。本シンポジウムでは高齢者の嚥下機能低下と栄養不良の関係及び介入方法について、巨島先生には嚥下の観点から、若林先生には栄養の観点からそれぞれ論じていただく。
高齢者において嚥下機能低下と栄養不良は複雑な糸のように絡み合って、しばしば致死的な誤嚥性肺炎を引き起こす。現在、肺炎は日本人の死因の3位になっており、その多くは高齢者の誤嚥性肺炎である。この高齢者の誤嚥性肺炎発症や予後に関わる嚥下機能低下と栄養不良の問題について介入法も含めて海老原先生に論じていただく。また、このように複雑に絡み合った糸を解きほぐすには何らかの技術革新が必要であろう。その技術革新の例としての簡易トロミ計の開発について宮城先生に解説いただく。
演者:
巨島 文子(諏訪赤十字病院 リハビリテーション科)
若林 秀隆(東京女子医科大学病院リハビリテーション科)
宮城  翠(東邦大学大学院 医学研究科 リハビリテーション医学講座)
海老原 孝枝(杏林大学 医学部 高齢医学)

シンポジウム6

8月4日(火曜日)14:20~16:20 第4会場
骨折転倒予防対策小委員会企画
「健康寿命延伸に向けた骨粗鬆症検診の現状と展望」

座長:
石橋 英明(伊奈病院 整形外科)
千葉 優子(東京都健康長寿医療センター 糖尿病・代謝・内分泌内科)
▼ 企画趣旨
わが国の高齢化率は増加を続け、平均寿命も伸びている。それに伴い、高齢者の介護予防に向けた取り組みの重要性が増しており、転倒とそれに伴う骨折は要介護要因の約12%を占めている。骨粗鬆症は転倒とともに骨折の主要な危険因子であり、骨粗鬆症を予防し、転倒リスクを低減することは健康寿命を延ばすことに繋がる。
骨粗鬆症検診は、骨折リスクの高い症例を発見し早期より介入することができるため、介護予防の観点からも意義がある。本シンポジウムでは、5人の演者から骨粗鬆症検診の現状と取り組みの状況、及び将来の展望について紹介して頂く。まず、厚生労働省の立場から骨粗鬆症検診の重要性と検診率向上の必要性について、次に石橋英明先生には転倒リスク評価としての運動機能測定の重要性について、三浦雅一先生には25(OH)Dおよび骨代謝マーカーの導入の意義についてご講演頂く。さらに、中藤真一先生にはFRAXやロコチェックといった簡便なスクリーニングツールの導入を中心に、藤巻郁子先生には年齢枠の拡大や生活習慣病重症化予防施策との並行実施について、解説して頂く。
どの演題も興味深く全体としてバランスの取れた内容で、新たな骨粗鬆症検診の方向性を模索する。
演者:
寺井  愛(厚生労働省 健康局 健康課)
石橋 英明(伊奈病院 整形外科)
三浦 雅一(北陸大学薬学部 薬学臨床系病態解析学分野/北陸大学健康長寿総合研究グループ)
中藤 真一(あさひ総合病院 整形外科)
藤巻 郁子(日光健康福祉部健康課)

シンポジウム7

8月5日(水曜日)9:00~11:00 第1会場
「認知症研究の最前線」

座長:
下濱 俊(札幌医科大学医学部 神経内科学講座)
荒井 啓行(東北大学加齢医学研究所)
▼ 企画趣旨
平成24年の段階で、わが国では65歳以上の高齢者の約15%が認知症、さらには約13%の高齢者が認知症予備軍との疫学調査結果が公表されている。その中でアルツハイマー病(AD)は最も有病率が高く、その有効な治療薬や予防手段の開発は世界中から切望されている。2011年、米国National Institute on Aging とAD協会は最新のバイオマーカー研究の知見を取り入れ、ADを3つの臨床病期に分類することを提唱した。即ち、発症前AD(Preclinical AD)、ADによる軽度認知障害(MCI、Prodromal AD)、臨床上認知症を呈する段階のAD(AD dementia)である。最新のバイオマーカー開発研究として血液からのバイオマーカー開発が注目されている。また、疾患修飾薬開発はAD dementia期からProdromal期やPreclinical期へとシフトしつつある。ADの危険因子や防御因子の研究も進み、概ね35%は修正可能な危険因子を背景にしており、予防への展望も示唆されている。一方で、本邦でも高齢者ブレインバンクの整備が進み、AD以外の或いはADとの複合病理を有する非AD疾患の理解も進みつつある。本シンポジウムでは4名のエキスパートから最前線の認知症研究を紹介いただく。
演者:
中村 昭範(国立長寿医療研究センター 脳機能画像診断開発部)
齊藤 祐子(東京都健康長寿医療センター高齢者ブレインバンク)
下濱 俊(札幌医科大学医学部神経内科学講座)
櫻井 孝(国立長寿医療研究センター もの忘れセンター)

シンポジウム8

8月5日(水曜日)9:00~11:00 第3会場
在宅医療連合学会大会合同シンポジウム(在宅医療小委員企画)
「実地臨床における「高齢者の在宅医療・介護サービスガイドライン2019」の活用と今後の課題」

座長:
葛谷 雅文(名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻発育・加齢医学講座(地域在宅医療学・老年科学))
山中 崇(東京大学大学院医学系研究科 在宅医療学講座)
▼ 企画趣旨
日本老年医学会、日本在宅医学会、国立長寿医療研究センターは共同で、「高齢者在宅医療・介護サービスガイドライン2019年版」を作成した。ガイドラインを作成するための作業として、6つの重要課題、すなわち慢性期医療、急性期医療、摂食・排泄障害、臓器不全・悪性腫瘍、エンド・オブ・ライフケア、その他の重要な事項に対するクリニカルクエスチョンを作成し、システマティック・レビューを行った。本シンポジウムでは、認知症、うつ症状、摂食嚥下障害、下部尿路機能障害、脳卒中、腎不全を有する在宅療養者、およびエンド・オブ・ライフ期の在宅療養患者、ならびに在宅療養者に対する高齢者総合機能評価に関するエビデンスについて、システマティック・レビューを担当した4名の先生方からご紹介いただく。総合討論では在宅医療の実地臨床で本ガイドラインを活用する方法、ならびに在宅医療・介護サービスに関する研究を推進する方法を含め、今後の課題について議論する。
演者:
千田 一嘉(国立長寿医療研究センター 在宅医療・地域医療連携推進部/金城学院大学薬学部)
中嶋 宏貴(医療法人和光会山田病院/名古屋大学大学院医学系研究科地域在宅医療学・老年科学)
弘田 義人(地域包括ケアセンターいぶき)
濱井 彩乃(安房地域医療センター 総合診療科/亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科)

シンポジウム9

8月5日(水曜日)9:00~11:00 第6会場
「非がん疾患における延命医療の差し控えと終了」
(倫理委員会企画)

座長:
会田 薫子(東京大学大学院人文社会系研究科 死生学・応用倫理センター上廣講座)
清水 哲郎(岩手保健医療大学)
▼ 企画趣旨
本邦では2007年に厚労省ガイドラインが発表されて以来、日本老年医学会や複数の医学会からエンドオブライフ・ケアの意思決定に関する臨床倫理ガイドラインや提言が発表され、延命医療の差し控えと終了をめぐる社会環境は大きく変化した。しかし、医学的・臨床倫理的に未解決の課題は多い。本シンポでは、目撃のない心肺停止時に医学的には無益な心肺蘇生法を重度要介護高齢者に行うことに関する諸問題や、本人が望まない人工呼吸管理を終了する際、苦痛を与えないために鎮痛・鎮静がプロトコール化された“comfort care”を含む緩和ケア指針の必要性について議論する。また、生命予後6~24か月とみられる要介護高齢者へのPEG施行および胃ろう栄養法の管理と離脱について国内外の研究知見を踏まえて検討する。現代の臨床上の意思決定は、本人・家族側と医療・ケアチーム側の共同意思決定(SDM)が基本であり、SDMの方法を用いて、本人がやがて意思疎通困難となった場合に備えてACPを行う。本学会「ACP推進に関する提言」の活用によって、これらの意思決定支援に関わる問題にどのように対応できるか、本人の視点で過不足ない医療行為を提供し、本人らしい人生の集大成を関係者皆で納得しつつ実現するには何が必要か議論する。
演者:
会田 薫子(東京大学 大学院人文社会系研究科 死生学・応用倫理センター上廣講座)
伊藤 香(帝京大学医学部附属病院 高度救命救急センター)
服部 ゆかり(東京大学医学部附属病院 老年病科/東京大学大学院医学系研究科老年病学)
三浦 久幸(国立長寿医療研究センター 在宅医療・地域医療連携推進部)

シンポジウム10

8月5日(水曜日)13:15~15:15 第1会場
「フレイル予防への多面的アプローチ」

座長:
神﨑 恒一(杏林大学医学部高齢医学)
飯島 勝矢(東京大学 高齢社会総合研究機構)
▼ 企画趣旨
ヒトは自然の老いのなかで「健康⇒フレイル(虚弱)⇒要介護⇒終末期⇒看取り」という一連の流れを辿っていく。このフレイルは健康と要介護の中間の状態(時期)であり、自分の気づきや努力および適切な介入により様々な機能を戻すことができる可逆性がある時期である。しかも、身体的フレイルだけではなく、精神心理的フレイルや社会的フレイルなど、多面的な要因が負の連鎖となって虚弱化が進行し自立度を低下させてしまう概念である。そのフレイルの最大なる要因として、栄養の低下や偏りを基盤として進行するサルコペニア(筋肉減弱)が大きな課題であり、そこには原点である食や栄養管理を改めて国民に意識変容を促す必要がある。従来の介護予防事業からさらなる進化を遂げる必要がある現状を踏まえ、そこにはフレイル予防につながる「3つの柱(栄養(食と口腔)・運動・社会参加)」をいかに三位一体として国民に気づき・自分事化させるのかが鍵になる。また、「まちづくり」そのものとして産学官民の一体的に取り組むことも重要になってくる。本シンポジウムでは、超高齢社会における健康長寿社会実現のためのフレイル予防への多面的アプローチを討議したい。
演者:
孫 輔卿(東京大学大学院 医学系研究科 在宅医療学講座)
島田 裕之(国立長寿医療研究センター)
近藤 克則(千葉大学 予防医学センター 社会予防医学研究部門/国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老年学評価研究部)
田中 友規(東京大学高齢社会総合研究機構)

シンポジウム11

8月5日(水曜日)13:15~15:15 第2会場
日本基礎老化学会合同
(国内交流委員会企画)
「エイジングサイエンスフォーラム~最新老化研究から新しい健康概念へ」

座長:
柳井 修⼀(東京都健康⻑寿医療センター研究所)
新村 健(兵庫医科大学 内科学 総合診療科)
▼ 企画趣旨
本邦は世界最長寿かつ少子化も同時進行したため、現在、高齢化率25%を超える世界唯一の国であり、グローバル高齢化の中でフロントランナーといえよう。このような「老化先進国」日本で観察される、高齢者の多様性は、老化という生命現象の複雑さと、その個人差・地域差の両者を反映している。「老化」したときに初めて顕在化する「多様性」の存在を、我々は意識せざるをえない時代に突入した。老化研究の歴史の中で、様々な老化仮説(酸化ストレス、テロメア、ミトコンドリア、サーチュイン、ホルモン等々)が提唱されたのも、「老化の多様性」を反映する。加齢性疾患の更なる増加が危惧される中、「老化」の観点からの疾病研究がますます重要になってきた。老年医学の臨床知見と基礎老化研究の成果の融合・還元が喫緊の課題となりつつある。本シンポジウムは、老年医学会と基礎老化学会の初のジョイントシンポジウムとして企画した。両学会からの新進気鋭の演者に講演いただき、最新の知見を討議、情報交換いただく予定である。
演者:
池田 義之(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学)
竹下 ひかり(大阪大学大学院 医学系研究科 老年・総合内科学)
柳井 修一(東京都健康長寿医療センター研究所)
多田 敬典(国立長寿医療研究センター 統合加齢神経科学研究部 神経内分泌学研究室)

シンポジウム12

8月5日(水曜日)13:15~15:15 第3会場
「百寿者研究はどこから来て、どこへ行くのか」

座長:
広瀬 信義(報徳会宇都宮病院)
権藤 恭之(大阪大学 人間科学研究科/人間科学部)
▼ 企画趣旨
本年はじめより全世界で新型コロナウイルスのパンデミックがおこっている。日本では収束に向かってはいるが、国内外の学会・研究会開催が延期されている。対面調査を行う疫学研究についても現在見合わせになっているのではないかと思われる。今後対面調査研究の方法も変わってくることが予想される。このような時期に1970年代から日本で開始された百寿者研究の意義、成果、将来展望について討議を行うのはタイムリーなテーマと考える。はじめに百寿者研究の過去と展望について大阪大学人間科学研究科権藤恭之教授より発表いただく。百寿者研究の現状として、スーパーセンテナリアン(SC)の脳病理所見を国立精神・神経医療研究センター高尾昌樹部長、リセプトデータを用いた百寿者研究の展望について奈良医科大学公衆衛生学講座中西康裕先生、SCの医学生物学的研究について慶應義塾大学医学部百寿総合研究センター新井康通講師よりお話をいただきその後今後の研究方向と今後の対面調査の方法についてディスカッションを行う。若手研究者がこのシンポジウムを通して百寿者研究へ興味を持ち活発に参加されることを期待したい。
演者:
権藤 恭之(大阪大学 人間科学研究科/人間科学部)
高尾 昌樹(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院 臨床検査部/公益財団法人脳血管研究所附属 美原記念病院 ブレインバンク)
中西 康裕(奈良県立医科大学 公衆衛生学講座)
新井 康通(慶應義塾大学医学部百寿総合研究センター)

シンポジウム13

8月6日(木曜日)9:00~11:00 第1会場
「高齢者の自動車運転の適格基準の検討」
(認知症対策小委員会企画)

座長:
島田 裕之(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学センター)
三村 將(慶應義塾大学医学部 精神・神経科教室)
▼ 企画趣旨
高齢者にとって自動車運転は生活の一部として欠かすことのできない行動となっており、運転の中止が、その後の生活の不具合を生じさせることが明らかとなっている。その一方で、高齢ドライバーが起こす重大な交通事故が社会的な問題となっており、安全に運転が可能な基準を明確にして、運転継続の可否を客観的に示す必要があると考えられる。本シンポジウムでは、高齢者の自動車運転の適格基準の検討と題して、警察庁交通局から高齢者の交通事故の実態と免許制度改定の方向性について発表いただく。その後、本領域で日本を代表する3名の研究者(大阪大学池田教授、佐賀大学堀川教授、慶應義塾大学三村教授)から、高齢者の運転に関しての知見を報告いただき、テーマのまとめを行う予定としている。本シンポジウムを通して、今後の高齢者の運転の適格性を明らかにする方向性を示すことで、診療時の運転に関する相談に役立つ情報を発信できるものと期待している。
演者:
佐藤 昭一(警察庁交通局運転免許課)
池田 学(大阪大学大学院医学系研究科 精神医学教室)
堀川 悦夫(福岡国際医療福祉大学医療学部/佐賀大学医学部脳神経内科)
三村 將(慶應義塾⼤学医学部 精神・神経科学教室)

シンポジウム14

8月6日(木曜日)9:00~11:00 第3会場
「高齢者における心不全」

座長:
大石 充(鹿児島大学 心臓血管・高血圧内科学)
近森 大志郎(東京医科大学 循環器内科学分野)
▼ 企画趣旨
2018年12月、「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法(脳卒中・循環器病対策基本法)」が成立した。この中では特に、高齢化とともに患者数が飛躍的に増加している心不全への対策が重要である。本シンポジウムでは先ず、高齢者心不全の特徴について疫学と概論を取り上げる。そして、発展の著しい高齢者弁膜症に対するカテーテル治療を中心として、外科サイドからの治療を展望する。また、薬物治療の確立していない収縮能保持型心不全(HFpEF)についての新しいアプローチも概観する。なお、高齢者は長期入院により認知機能の低下・フレイルの進行を伴うために在宅医療や緩和ケアが必須である。この日常診療のテーマも取り上げる。
以上のような盛沢山の内容ではあるが、各々のテーマにおける本邦の第一人者からの講演を通して、高齢者心不全のマネジメントがどのように進展しつつあるのかについて討議を深める。
演者:
原田 和昌(東京都健康長寿医療センター 循環器内科)
澤 芳樹(大阪大学大学院医学系研究科 心臓血管外科)
山本 一博(鳥取大学医学部 病態情報内科)
田中 宏和(ゆみのハートクリニック)
窪薗 琢郎(鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学)

シンポジウム15

8月6日(木曜日)9:00~11:00 第4会場
「高齢者の救急医療」

座長:
新村 健(兵庫医科大学 内科学 総合診療科)
岩田 充永(藤田医科大学 救急総合内科学)
▼ 企画趣旨
本邦は、高齢化率28%を超える世界唯一の国、いわば「老化先進国」である。このような超高齢社会を反映して、救急医療の現場においても、高齢者の救急搬送は年々増加し、全国平均でもその割合は60%に迫りつつある(令和元年版救急救助の現況より)。65歳以上の高齢者では65歳未満の成人と比べ中等症以上の症例が多く、高齢者特有の病態への深い洞察と個々の病態に対する適切な対応が必要とされている。
本シンポジウムでは、さまざまな場で救急診療に携わるエキスパートの先生方にご登壇いただき、救急医療における高齢者の特徴、問題点、それぞれの施設での取り組みにつきご講演いただく。本シンポジウムが「老化先進国」における高齢者救急医療の展望を切り開く一つの契機になることを願っている。
演者:
関口 健二(信州大学医学部附属病院 総合診療科/市立大町総合病院 総合診療科)
長谷川 浩(杏林大学医学部 総合医療学・救急総合診療科・高齢医学)
長瀬 亜岐(大阪大学大学院 連合小児発達学研究科 行動神経学・神経精神医学寄附講座)
野々垣 禅(愛知厚生連 海南病院 老年内科)
瀬川 悠史(藤田医科大学病院 救急総合内科学)

シンポジウム16

8月6日(木曜日)14:20~16:20 第1会場
「老年医学教育の現状と今後の展望」

座長:
金子 英司(東京医科歯科大学 統合教育機構)
江頭 正人(東京大学 医学教育学部門)
▼ 企画趣旨
高齢化率が28%を超えた日本において、高齢者を対象とした老年医学教育はますます重要となっています。しかしながら、全国の医科大学医学部を対象とした老年医学アンケートによると、老年医学を専門に教育する講座は減少傾向にあり、2割程度の大学にしかありません。このような状況下で、老年医学教育を卒前、卒後、生涯教育にわたってどのように行っていけばよいのでしょうか。
このシンポジウムでは老年医学教育に関して、海外の医学部の卒前教育の現状に関する調査結果、国内の医学教育モデル・コア・カリキュラムの変更内容と老年医学教育に関する全国医学部アンケートの調査結果、新専門医制度の中での卒後臨床研修の現状、老年医学の生涯教育の現状や高齢者専門病院における多職種連携教育の現状などについて発表していただき、今後の老年医学教育の展望について討論を行いたいと思います。
演者:
古川 勝敏(東北医科薬科大学 医学部 地域医療学)
金子 英司(東京医科歯科大学 統合教育機構)
江頭 正人(東京大学 医学教育学部門)
阿部 庸子(社会福祉法人浴風会 浴風会病院)
梅垣 宏行(名古屋大学大学院 医学系研究科 地域在宅医療学 老年科学)

市民公開講座 開催中止となりました。

「健やかに老いるために」

座長:
羽生 春夫(東京医科大学 高齢総合医学分野)
演者:
阿部 康二(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 神経病態内科学(神経内科))
飯島 勝矢(東京大学高齢社会総合研究機構)

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モーニングセミナー4
ランチョンセミナー15
アフタヌーンセミナー3
イブニングセミナー2
認知症診療の実践セミナー
漢方Geriatricレクチャー

一般演題:口演・ポスター 誌面開催となりました。

 

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