第62回日本老年医学会学術集会

会長挨拶

 わが国は、すでに65歳以上の人口は3,515万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も27.7%となりました。超高齢社会を迎えて、健康長寿社会の実現へ向けたさまざまな取り組みや、人生100年時代を見据えた経済社会システムも検討され始めております。

 健康寿命の延伸には、高齢者の疾患を対象とした従来の臓器別診療では不十分で生活機能をも考慮した包括的な医療が求められております。具体的には、多くの疾患を併せ持つ高齢者の認知症やうつ、フレイル、転倒、誤嚥、低栄養、排泄障害などの老年症候群やpolypharmacyへの対応、多職種チームによる医療介護連携、在宅医療や終末期医療などが含まれます。この点で老年医学の果たす役割は大きいと考えられます。

 そのためには、学究的議論を深めエビデンスを創出し、医療へ実践していく必要があります。本学術集会では、「健康長寿社会の実現へ向けた老年医学の役割」をテーマに、基礎研究者から、臨床医、薬剤師、看護師、栄養士、介護やケアに携わる多くの会員の皆様にご参加いただき、超高齢社会が直面するさまざまな課題を議論し、健康長寿社会の実現へ向けた活発な討論、議論を踏まえて新たな知見や情報を発信してまいりたいと考えております。

 会場(京王プラザホテル)は西新宿にあり、交通のアクセスもよいところでございます。高齢者の診療にはさまざまな領域の専門医や医療スタッフの方々が関わっております。多くの皆様方にご参加いただきますよう心からお願い申し上げますとともに、皆様の一層の発展を祈念して、会長の挨拶とさせていただきます。

第62回日本老年医学会学術集会
会長 羽生 春夫
(東京医科大学 高齢総合医学分野 主任教授)

このサイトについて|Copyright © 第62回日本老年医学会学術集会 All Rights Reserved.